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 Mammut ELEMENT Barryboxマムートエレメントバリボックスも、最大受信距離などの基本性能は従来機とほぼ同等のようです。Mammut PULSE Barryvoxは磁力線に沿わない位置関係でも安定した受信距離を得られている印象がありましたが、Mammut ELEMENT Barryvoxも同様の結果でした。(もしも推奨捜索幅50mの半分、25mの地点でシグナルを拾えないとラフサーチで埋没者を見落としてしまう危険性があります。)機種の個体差やシグナルを拾った地点の定義(何カウントできたら安定した受信とみなすか)などを考慮しながらさらに考察を深めてゆきたいと考えています。

 PIEPS TOURやOrtovox 3+など最近の機種はシンプルな操作性の方向に進んでいます。Mammut ELEMENT Barryvoxはボタンが2個→1個、アナログモードは搭載しない、複数埋没の「選択」はできなくて近いシグナルから探してマーキング(シグナルカット)する、自動復帰(8分)の時に体動は考慮されないなどがPLUSEとの主な相違点のようです。
 驚いたのが、捜索の最終段階でクロス法を推奨していない点で、磁力線のカーブに上手に乗れなくて少し横にずれたラインで入ってゆくことはしばしばありますが、横方向のずれは無視して前後方向の最小値だけ探してプロ―ビングしなさいということのようです。
 最近の3本アンテナビーコンは、1m程度の埋没深でも数10cmの範囲までピンポイントエリアを絞り込めるので(第13回北海道雪崩研究会誌2011年6月発行より)、クロス法を行わないのは非常にもったいない気がしますが・・。近接位置で丁寧に磁力線を辿っても3m圏内では矢印表示が消えるので、上級者であっても多少は横方向にずれて進入してしまいます。このあたりも次回ビーコンテストの検討課題としたいところです。

(各種ビーコン比較サイト)
http://beaconreviews.com/transceivers/Specs_MammutElement.asp
(ビーコン捜索のeラーニング)
http://www.mammut.ch/barryvoxtraining
(Mammut雪崩用品のページ)
http://www.mammut.ch/ja/products_avalanchesafety.html

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by dorousan | 2012-06-16 20:51
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 2012年6月3日(日)午前りんゆうホールでNPO法人北海道雪崩研究会第14回総会、午後から同会場で「第14回北海道雪崩研究会」が開催されました。

 前半は、日本登山医学会認定山岳医制度関連や、北海道警察の山岳遭難救助アドバイザー医師としてお忙しく活動されている大城和恵先生の御講演をいただき「雪崩救助後の医療的処置」について学びました。窒息・外傷・低体温症が併存する状況に対して、救助要請の一報も含めてすべての事を見落としなく同時並行的に行っていくためには普段からの学習とトレーニングが必須だなと感じました。
 また以前別の講演会でもお話されていましたが、最近は腋下・そけい部だけでなく、体幹部もプラティパスなどにお湯を入れて積極的に温めることを推奨されているようです。circum rescue collapseを防ぐために我々も常に新しい知識を取り入れて取り組んでいきたいと思いました。

大城先生のホームページ「山岳医療情報」
http://www.sangakui.jp/
(低体温症ラッピングのコツ)
http://www.sangakui.jp/information/_joy/_joy_10_2012322.html

 教育講演の後、研究会講習部(安田氏)・研究部(松浦氏)から、「当会のコンパニオンレスキュー教育の取り組みと課題」ということで報告がありました。私も昨年度中級クラス受講生としてコンパニオンレスキューシナリオに参加しましたが、シャベリング時のアプローチ法や掘り出し後の保温、傷病者(レスキュー人形)の状態観察ということまで各メンバーが配慮しながらのレスキュー訓練で、受講生の意識も年々高まってきているような気がします。

 後半は最新ビーコンテスト報告ということで、昨年一昨年に出た各社の3本アンテナビーコンについてのテスト結果が報告されました。送信・受信のアンテナの軸がそろった理想的な場合には各機種40-50m程度の充分な最大受信距離となっていますが、垂直に立った発信ビーコン(いわゆる「噴水型」)を磁力線に沿わない向きで受信する不利な位置関係では20m程度になってしまう場合もあります。無雪期にできるテストなので、自分のビーコンの性能と特性を知っておくとよいと思います。

 複数埋没捜索の性能に関しては、どの機種が特にいいというわけではないのですが、今回「発信信号のオーバーラップ現象」について実際にオーディオを使って、発信周期が微妙にずれた2台のビーコンの発信音が重なりあっていく様子が分かりやすく提示されました。完全にオーバーラップした状況では高性能の機種であっても解析が難しくなって表示が不安定になったりマーキングできなかったりということが起こってしまうようです。耳で聴き分けるアナログビーコンが主流だった頃とはまた別の課題があるようです。

 今後も研究会ではコンパニオンレスキューとビーコンテストに関して継続して取り組んでゆく予定です。ご興味ある方は研究会宛にご連絡ください。(文責H.OTSUKA)

NPO法人北海道雪崩研究会ホームページ
http://homepage3.nifty.com/hokkaido-nadare/
 昨冬は12月から3月にわたって、顧問の秋田谷先生の「北村の雪情報」が連載されていました。定点観測して1シーズンの変化を追ってゆくことの面白さが伝わってきます。

第17回北海道雪崩講習会ホームページ (2011年11月-2012年2月開催)
http://h-nadare.com/
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by dorousan | 2012-06-06 07:00
 今回のビーコンテストに使用した機種のテクニカルデータ一覧です。1999年の北海道登山者雪崩研究会(現在はNPO法人北海道雪崩研究会)発足当初からビーコン部門を担当してきた笹原講師が作成しました。テスト器材に関しては日本勤労者山岳連盟(JWAF)、秀岳荘北大店(北12西3)にご協力いただきました。
研究会誌バックナンバー入手については研究会事務局にお問い合わせください。
http://homepage3.nifty.com/hokkaido-nadare/

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by dorousan | 2012-06-06 06:50